動詞の語形変化の型。現代日本語の動詞は、「書く」など語幹が「kak-」となる子音終止語幹の型(第Ⅰ活用型、子音動詞、強活用……学校文法で言う五段活用)と、「見る」など語幹が「mi-」となる母音終止語幹の型(第Ⅱ活用型、母音動詞、弱活用……学校文法でいう上一段活用・下一段活用)の二つの規則活用の型に整理される。なお「する」と「来る」は二つの型と異なる特殊な語形変化をする。
活用型 | (語例) | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止・連体 | 仮定 | 命令 | 意志 |
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第Ⅰ活用型 | 書く | kak- | a | i | u | e(ba) | e | o: |
第Ⅱ活用型 | 見る | mi- | ∅ | ru | re(ba) | ro | yo: | |
特殊活用 | する | s- | i | uru | sure(ba) | siro | siyo: | |
来る | k- | o | i | uru | ure(ba) | oi | oyo: |
日本語の「活用」は、文法的意味を積極的に示す接辞(助詞・助動詞)に接続するために語形を変化させる現象である。それに対し、英語の"conjugation"は、文法カテゴリー(過去・分詞など)に応じた語形変化である。活用とconjugationの違いは、動詞の語形変化が日本語と英語では異なっていることに対応している。
参考までに、古典語の活用表を掲げる。古典語の動詞活用では「混合活用」が特異である。強活用(子音終止語幹の動詞)と弱活用(母音終止語幹の動詞)がどこで、どう「混合」しているのかを注意して見ること。
強活用・弱活用のグラデーションは、アクセント差による別語形であることを示す。「置く・売る/着る」=●○(終止)|●●(連体)。「書く・切る/見る」=○○(終止)|○●(連体)。