日本語学史


最初の日本語観察は、他の言語との比較から自覚された。他言語の代表が外国語である(その他に方言がある)。四書五経や史書を学ぶ「漢学」と仏教のサンスクリットを学ぶ「悉曇学」において日本語が観察された。

次に古典への自覚である。鎌倉期においてすでに説明が必要になっていた平安中期の『古今集』や『源氏物語』、また『万葉集』『日本書紀』などの古代の文献を理解するために、古い日本語が観察された。

そうした外国語や古典研究を大成したのが「国学」であり、その代表者が本居宣長である。

国学の成果を受け継ぎながら、西欧の近代言語学を受け入れて成立するのが「近代日本語学」である。日本語の歴史と構造の両面で研究が推進された。

現代は、他の諸科学(社会学、コミュニケーション論、心理学、脳科学、認知科学etc.)の成果を取り入れつつ、日本語という枠を超えて、言語の一つとしての日本語を探求している「現代言語学」の時代と言えるだろう。

以上の日本語研究の歴史を、金子の授業では次のような図として示している。

学史図

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