ローマン・アルファベットroman alphabetを使った日本語の表記法。日本語の表記史においては、補助的・日本語学習初級レベルの表記法として採用された臨時表記であり、実用文には採用されなかった。明治以後、日本語の表記法として正式に採用しようとする運動が起こり、それは「国字ローマ字化運動」と呼ばれる。
英語綴りを基としたヘボン式(羅馬字会式、標準式)と、日本語の音韻体系を基とした日本式とがあり、学校教育の場では、国語の教科内で日本式を基とした訓令式を教えている。実社会では、ヘボン式がかなり普及している。次に示すのがその主な相違点である。
シ | チ | ジ | ズ | フ | シュ | オー | |
ヘボン式 | shi | chi | ji | dzu | fu | shu | o |
日本式 | si | ti | zi | du | hu | syu | ô |
*2017年の「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」においても、「ローマ字の表記に当たっては,「ローマ字のつづり方」(昭和 29 年内閣告示) を踏まえることとなる」(p.79)とあり、訓令式が標準である。
*現実社会では、ヘボン式でも日本式でもない jyo や ō (上にあるのが「^(サーカムフレックス)」ではなく「̄(マクロン)」)も使われている。