発話時点を規準として、文が発話時点の前・現在・後などのどの時点なのかを示す文法カテゴリー。
日本語では、「走る」などの基本形(ル形)と「走った」などの過去形(タ形)の対立が基本となる。なお、過去形は過去の出来事を指すが、「走る、死ぬ」など動態動詞の基本形は、時間的には未来(これから起こる出来事)を指し(「これから走る」)、「ある」など状態動詞の基本形は現在を指す(「今ここにある」)。
述語 | ル形(現在・未来形) | タ形(過去形) |
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動態動詞 | 未来(走る) | 過去(走った) (あった) (赤かった) (学生だった) |
状態動詞 | 現在(ある) (赤い) (学生だ) |
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形容詞 | ||
名詞述語 |
なお、従属節中の「走る時、走った時」は、それぞれ動作の未完了時・完了時を表すなど、アスペクト的な意味とも交錯する。