東西対立

現代日本語方言として話題になる対立である。本土方言と琉球方言の対立が大きな対立であり、九州方言も独立した位置にあると考えられているが、東京ことばと関西弁の対立が話題になることが多いため、方言の東西対立が話題に上りやすい。日本語研究としては、地続きの境界線がどこかという点で興味深い。

東西対立をを表にして示すと以下のようになる。

特徴 東日本 西日本
文法 ワ行5段活用連用形 促音便(買った) ウ音便(コータ)
形容詞連用形 非音便形(白く) ウ音便(シロー)
一段活用命令形 オキロ オキ・オキー・オキヤ
断定の助動詞 ジャ・ヤ
否定形 ナイ
音韻 母音の無声化 しやすい しにくい
母音ウ 平唇のウ[ɯ] 円唇のウ[u]
一拍語 短く発音 例:蚊カ 長め発音 例:蚊カー
アクセント 東京式 京阪式
語彙 曾孫 ヒコ ヒマゴ
塩辛い ショッパイ カライ
梅雨 ニューバイ ツユ
挽肉 ヒキニク ミンチ
学年 一年生 一回生

こうした対立は、日本語成立当初からあったと考えられている。万葉集東歌や防人歌に見られる変異もそうした日本語の混質性を示していると考えられる。



🔙 言語学・日本語学用語集へ
inserted by FC2 system