語構成 word formation

単語を、その内部構造の観点から分析する視点。語彙的カテゴリーの一つとして取り上げられることが多い。語は、それ以上分けると意味をなさない「単純語」といくつかの語(形態素)が組み合わさってできた「合成語」に分けることができる。「本」や「箱」は単純語であり、それ以上分解できないが、「本箱」は「本」と「箱」に分けることができる。なお、合成語も語彙論的な語であり、「本箱」も「本」「箱」と同じく一単位である。合成の過程において、ホンバコのように連濁を起こしたり、アクセントが変化したりする現象がある。

「白髪シラガ」のシラ、「雨雲アマグモ」のアマなど、元の語形(シロ、アメ)と異なる形態となる場合や、「白髪」の「ガ」のように、現代では意味不明の残りが出る語も見られる。また、「白髪ハクハツ」は、一語であることは確実だが、その「白ハク」と「髪ハツ」は、漢字の助けを借りるとは言え、無意味な単位とは言いがたい。
そこで、語構成要素を「語基」と「接辞」に分類し、語基・接辞という語構成要素レベルの単位と考え、単純語・合成語という単語レベルと別に捉える見方が出されている。その見方では、「本-、シラ-、ハク-、-ハツ」などを、語構成レベルにおける「語基」と捉えるので、「単純語-合成語」という単語分類では議論されない(「本」は単純語、「本箱」は合成語、「本箱」の「本-」は単純語ではなく、語基)ことになる。その場合「(シラ)-ガ」をどう捉えるか。接辞ではなさそうなので、無意味語基ということになるかなどが議論になる。

「小=鳥」「面白=さ」「面白=がる」の「小=、=さ、=がる」のように、それだけでは独立した語とはならない単位(形態素)が析出され、それが一定の働きを持っている場合、「(語彙的)接辞」と呼ぶ。


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