他動詞は、補語としてヲ格を取る動詞である。「(ご飯ヲ) 食べる」「(家ヲ) 作る」「(水ヲ) 流す」などが挙げられる。それに対し自動詞は、補語のない動詞である。「立つ」「降る」「流れる」などが挙げられる。「水ヲ 流す～水ガ 流れる」「子供ガ 遊ぶ～子供ヲ／ニ 遊ばせる」「太郎ガ 次郎ヲ たたく～次郎ガ 太郎ニ たたかれる」など、動詞が含む構成員（主語・補語）に関係する点で、ヴォイスと関わる分類である。

他動詞の特徴として挙げた「補語」「ヲ格」という２つの条件の、片方だけ満たすのは、次のような動詞である。みな自動詞である。
　・補語を取るが、ヲ格ではない動詞　例：「(人ニ) 会う」「(彼ト) 結婚する」
　・ヲ格を取るが、補語ではない動詞　例：「(空ヲ) 飛ぶ」「(近所ヲ) 散歩する」（場所格のヲ）

＊他動詞の条件を満たさないものを自動詞と呼んでいると考えてよい。また、英語のtransitive verb, intransitive verbと重なる部分も多いが、同じではない。