語彙的カテゴリー lexical category

単語の一般的性質のこと。膨大な数を含む語彙を整理・分析するには、しっかりとした整理観点がないと、各単語の説明に終始してしまう。そこで、語の集合としての語彙を整理・分析するための観点として採用された概念である。語彙的カテゴリーとしては、語形語義が、記号の本質に関わるカテゴリーとして最初に挙げられる。そして、どの言語でも問題となる語構成がある。それ以外に、日本語においては語種位相も整理の観点として役立つ。また、語彙的カテゴリーとしてどのようなカテゴリーを認めるのかも語彙的カテゴリー(語彙論)が担う課題である。

「語彙的カテゴリー」がどれほど一般的な用語なのかは分からないが、「語の一般的性質」「単語の語彙的性質」という用語をいちいち使うよりは便利である。なお、英語学等における lexcal category とは parts of speech(品詞) が代表であるようだ。

金子の授業では、語彙・語・語彙的カテゴリーの関係を次のような図で示している。語彙は語の集合であり、その語彙を整理する(語をいくつかに分類する)線が各語彙的カテゴリーを示す。例えば、赤や黄色破線が語彙を2分する場合(単純語と合成語、口頭語と文章語など)、水色破線が和語・漢語・外来語に3分する場合などである。


〔語彙・語・語彙的カテゴリーの図式的理解〕
語彙・語・語彙的カテゴリー

🔙 言語学・日本語学用語集へ
inserted by FC2 system